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□そうだ、映画に行こう。
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学校から離れたところにある待ち合わせをしていた駅に名前が到着したのは、
待ち合わせの時間ちょうどのことだ。
真山は先に着いていた様で、名前の姿を認めると、軽く視線を送る。

「時間通り、か。おまえにしては上出来だ。」
「あ、先生!こんにちは。
今日はよろしくお願いします。」

(うわぁ…私服の真山先生、いつもと感じが違ってかっこいいなぁ。
大人の男、って感じがする。)

黒のテーラードジャケットにグレーのVネックニット。
すらりとした濃いめのインディゴブルーのジーンズは彼の足の長さを引き立てているうえに、そのカジュアルさは今日がリラックスできる休日であることを主張していた。
シンプルでありながら上質そうな服をさらりと着こなす真山に胸が高鳴る。

真山は時計をちらりと見遣ると、
「おい。さっさと行くぞ?」
とだけ言って、名前の腕を引き映画館への道のりを歩む。

(あっ…真山先生が私の手を…!!
今日の先生、かっこいいからドキドキしちゃう。)

彼なりに名前が歩きやすいように歩調を合わせてくれている。

真山と過ごすこれからの時間への期待に名前は胸を膨らませた。
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