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□[ウェディング]守部匡治
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何時もより早く帰ってきた日の翌朝。
普段より早く目が覚めると、隣に寝ているはずの名前がいないので、漠然とした不安と寂寥感に囚われた。

(やっぱり、夢だったのか。
憧れの名前さんが、僕の隣になんて…)

実家とも、学生時代から一人で暮らしていた部屋とも違う慣れた部屋の寝室を出て。
とりあえずなにか作ろうとキッチンへ向かうとすでに名前がキッチンに向かって朝食の準備をしていた。

「匡治くん、おはよう。いつもより早いね?
もうちょっと待っててね?
もうすぐできるから。」

朝早くにも関わらず眩しい笑顔で
守部を迎えてくれる…そんな彼女がいとおしい気持ちが抑えられずに
ぎゅうっと背中から抱き締めた。

「くにはる、くん…?」

おおよそ守部らしくない行為に。
名前は驚きを隠せない。

「良かった…。
朝起きたらベッドにいなかったから、君と結婚していたのが夢だったのかと思ってしまっていました。」

「えっ!?急に、どうしたの?」

「君が…僕なんかと一緒になってくれて…。
君がいつか僕の目の前から消えてしまうのではないか、不安でたまらなくなって…。」

守部の言っていることが理解できず
名前は首を傾げた。
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