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□真山先生と向井先生
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真山と一ノ瀬に呼び出された向井は
「向井先生!生徒相手に一体何をしてたんですか?!」
「向井先生…僕はこういった方面には疎いから…でも、ほどほどにね?」
と、二人がかりでお説教をされる羽目になり身が縮む思いをしていた。
そこへたまたまやってきた若桜が
この状況を一目見て、ただならぬ雰囲気だと察したらしい。
真山と一ノ瀬、それに向井から話を一通り聞くと
「ん…?別に保育園のごっこ遊びの延長、でしょう?
それに、彼、まだ学生だよ…ね?
いーんじゃない?高校生と大学生。
別に、おかしくなんて、ない…けどな?」
ギスギスしていた空気が
若桜のふわりとした軽いタッチで和んだ…かと思いきや、この人だけは違うようだ。
「若桜、いい加減にしろ。そう言う問題じゃないだろう。大体おまえは…」
真山は矛先を若桜に変えたので、若桜は目配せをして向井をその場から逃すことに成功した。
「おい、まだ話は終わってない!」
「ふぅん…真山先生。いつになくうるさく言うんだね?
彼、まだ学生だし…これだけ絞られたら、もう、いいでしょ?
それとも…何か、都合が悪いことでも、あるの…かな?」
若桜に問われ、ぐうの音も出ない。
艶やかで探るようなその眸の前に
真山は、
「もういいだろう。ただ、苗字にも確認したいことがある。」
とだけ言い捨てると、若桜と一ノ瀬を残して部屋を後にした。