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□2日遅れのバースデー
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「名前ちゃん、大丈夫かな?
随分、顔色悪そうだけど…。」
同期の一ノ瀬先生がカフェラテを片手に声をかけてくれた。
彼のこんな気配りが…とても暖かくてほっとする。
結局、授業の合間を縫って苦手な数字の羅列とにらめっこしていたら
あっという間に放課後になってしまっていた。
予想外に時間を取られてしまい、これから部活指導に加えて学年会議の資料作り…考えただけで頭が痛い。
「学くん…助けて、学年会議の資料…手が回らない。」
デスクに突っ伏して、顔だけをあげて一ノ瀬を見上げると。
彼は困った顔をして
「僕は2年の担任だから…
ごめんね、そこは手伝えないな…。
3年、本当に大変そうだよね。」
申し訳なさそうに、やんわりと言われると
もうなにも言い返せない。
「ううん…私が捌けないのが悪いから…。
ありがとう、頑張る。
また同期会しようね?」
「うん、そうだね。楽しみにしてるよ?」
彼はそう柔らかく微笑むと、職員室を出ていった。
(あー、もう、終わらない!!
これお持ち帰りコースだわ。)
それでも真山に言われた仕事だけはこなして、部活へ向かった。