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□サクラサク
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「やっぱり、芹澤先輩でしたね!
こんにちは。校内で私服だったからびっくりしちゃいました。」

苗字名前は
日溜まりのような笑顔を芹澤へと向ける。

(わわっ…!会いたいと思っていた相手に簡単に会えてしまうなんて!!
ど、ど、どうしましょう!
一目でも姿を拝めたらいいな、くらいにしか考えてなくて、いざ会えるとなると全くもって心の準備がああああ!!)

あわてふためく芹澤をきょとんと見つめる名前。

「先輩…心の準備って、どうかしたんですか?」

「しまった!心の声が、つい、うっかり…!!
いや、あの、今のは忘れてくださいっ!!」

「ふふっ…芹澤先輩、本当に面白いですね。」

名前はふわりと微笑む。

「そうだ、先輩。お昼ご飯一緒に食べませんか?
その、もう卒業されたから校内でお昼を食べる機会もないでしょうし、私でよかったら…。」

思わぬ誘いに。
芹澤は凍りついた。

(芹澤先輩、嫌だったのかなあ?
固まって動かなくなっちゃった!)

固まってしまった芹澤に、

「あっ、でも嫌ならいいです!すみませんっ。」

慌てて頭を下げる名前。

「いえっ!あの、全然嫌なんかじゃないです!
キミと一緒に食べられるなんて夢にも思ってなかったからその、舞い上がってしまって…。
ぜひ、ご一緒させてくださいっ!」

慌ててフォローする芹澤に、安心した名前はにっこり笑う。

「良かった。もう、先輩とお昼ご飯一緒に食べられなくなっちゃうから。
一緒に食べられて良かったです。」

無邪気なその言葉と天真爛漫な微笑みが。
芹澤の胸をちくりと痛めた事に。
名前が気づくはずもなかった。
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