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□七夕祭りに出掛けよう
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会場までは、電車で20分ほど。
まだ、空いている時間帯だったので
二人は並んで椅子に腰掛けた。

二人は期末試験や行事などの学校のことから
それぞれの趣味や特技など、話題は多岐に渡る。

「えっ!?名前さん、数学が苦手なんですか?!」
「うん。今回もあんまり自信がないんだ…。」
「数学ですか…。よ、良かったら…。
今度、俺が教えましょうか?
恐らく、夏休みも膨大な量の宿題が予想されますし…。」
「あれ?明神くん、数学得意なの?」
「ふっ…。数学は全国模試で1位の実力ですからね。」
「すごーい!!じゃあ、お願いしようかな?」

(よし!夏休み中のデートの約束をとりつけたぞ!!)

心の中で一人盛り上がる明神を他所に。
車窓からも七夕祭りの賑わいがうかがい知れるようになるにつれ、
名前も心地そわそわしだした。

「ねぇ、明神くん。見て!」
「おぉ…ここまでとは…。」

駅のホームに降りた側から
七夕ムードのその駅の雰囲気に圧倒される。
夕方にも関わらず、すでに駅前は人で溢れていた。

(よし、言うぞ!
この人混みならかなりの確率で大丈夫なはず…!)

「あ、あの…。名前、さん?」

明神は、勇気を振り絞って名前に声をかける。
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