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□とある午前中の保健室ver.明神
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「…っ!!痛っ!!」

2年生の家庭科の調理実習。
八宝菜に入れる人参を切っていたつもりだったのだが
どうやら自分の指を切ってしまっていたらしい。

「あわわわわっ!!」

明神堅梧は、ざっくりと包丁で切れてしまった人差し指からどくどくと流れる血液に大慌てしている。

「何だ?明神。
おめぇ、指切っちまったのか? ヘッ。だらしねぇな。見せてみな?」

同じ班の穂高に言われ、憮然と切った指を差し出した明神。

「これは…結構深いじゃねぇか。
おい、保健室行くぞ?」

穂高は傷を確認すると、その傷の深さに眉間に皺を寄せる。
そして、明神の意思とは関係なしに保健室へと連れていくことを決めた。
周りに「おい。俺は明神を保健室に連れていく。悪ぃが他のみんなで実習を進めておいてくれねぇか?」

とだけいうと。

「大丈夫だ!保健室なんて行く必要はないっ!どうせ、絆創膏貼っておしまいじゃないか!!」

抵抗する明神を引きずるようにして
穂高は保健室へと向かった。

「待てっ!お、俺は…止血に戸惑っていただけなのに…!!」

「ちゃんと手当てしねぇと、大事になるかも知れねぇぞ?」

抵抗もむなしく、保健室まで引きずられていった明神だった。
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