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□守部くんとクリスマス
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「ごめん、ありがとう。」

守部の手をとって、立ち上がる。
転んだ拍子に崩れてしまった髪がどうしても気になってしまう守部は
その髪をさりげなく直した。

(うわっ…守部くんに髪をなおされてる!
くすぐったい…。)

「髪が乱れてますよ…よし、これで大丈夫です。」

ふう、と一息つくと目の前の赤い顔をした名前を見て慌てた。

「あっ…すみません!つい癖で。
妹の髪を毎日結んでいるので、つい…。」

その言葉に名前は納得し、なぜか安心した。

「なぁんだ、そうだったんだ。
すごいね、守部くん!毎日なんだ。」
「そうなんですよ。小さい頃は良かったんですが、大きくなってきたら『この髪留めがいい』とか『みつあみじゃないと嫌』とかワガママを言うようになってきて…。」

ふぅ、とため息をつく守部にくすくすと笑う。

「そうなんだ!守部くん、お母さんみたいだね。」

言われ慣れた言葉が、不思議と守部の胸にちくりとひっかかった。

けれど、それを気にしないように。

「そうだ。苗字さんに、これを…。」

そう言うと、カバンの中から綺麗にラッピングされた包みを取り出し
名前へ手渡した。
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