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□花火の夜
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約束の週末までまだ日があるが、明神堅梧の心は来るべく苗字名前とのデートの事で心と頭を占領されている。
(名前さんと久しぶりのデートだ。
俺が完璧にエスコートしてみせる!)
地域の情報雑誌を数冊とマニュアル本を買い込み、ネットを駆使して。
週末の花火大会に向け、リサーチを重ねている。
彼女と出かけることは今までにもあったが、つきあい始めてから初めての夜デートだ。
(つきあっている男と女が夜にデート。男として期待しないわけでは…いや、そうじゃない。
今、俺がすべきなのはこの花火大会でマニュアルに則って完璧なデートで名前さんの心を掴み、彼女との仲をより深いものにすることだ!!)
淡い期待を抱きながら、デート当日を迎えた。