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□真山先生のスケート講座
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約束当日の朝。
無事に待ち合わせ場所で落ち合い
お目当ての遊園地にあるスケートリンクへ向かった。

少し肌寒いものの、冬の陽気が心地よい。
真山はさっとチケットを購入すると、貸し靴券をなまえへと差し出す。

「あっ…先生、おいくらですか?
自分の分は自分で払います。」
「俺の下見も兼ねているから、お前はいい。」
「えっ…あの…。」

戸惑っていると、容赦ない叱責が飛んでくる。
 
「そんなことより、軽くストレッチして、
さっさと靴を履き替えろ。」
「あっ、はい。すみません。」

スケート靴を借りると、軽く手足を伸ばす。
体がほぐれたところで靴を履き替えようとした。

「おい、まさかその薄手の靴下で滑ろうとしてるのか?」
「はい?えっ…?何か…?」

(先生、呆れてるけど何でだろう…?)

なまえはわけもわからずきょとんとしていると
真山はバッグから絆創膏を取り出した。

「スケートの貸し靴は靴擦れを起こしやすい。おい、足を出せ。」
「あ、はい、すみません。…っ!先生!?」

真山は躊躇いもなくなまえの足から一旦その靴下を脱がせると
踵に絆創膏を貼る。

真山に直接足を触れられることが気恥ずかしくて。
思わず、目線を外した。

「あっ!先生…自分でできますから!大丈夫ですっ。」

真山はニヤリと微笑むと、なまえの意思に反して両足とも自らの手で絆創膏をはって靴下をはかせる。

「何を恥ずかしがっている…?
俺はただ、靴擦れ予防の措置を施しただけだぞ…?」

耳元で囁かれると、くすぐったくて。
余計に、顔が赤くなってしまった。

真山はなまえのそんな様子を
楽しむと、自分も靴を履き替えなまえをリンクへと促した。

「おまえがどれ程のものか、俺が見届けてやる。
その後でたっぷりと指導してやるから覚悟しておけ。」

「は、はい!…頑張ります!!」

なまえは恐る恐る、リンクへと足を踏み出した。
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