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□心地よい時間
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「遅い!一体何をしていた?」
彼の仕事が終わる時間に合わせて
彼の勤務先ーーなまえの母校、最寄りの駅で真山恭一郎と待ち合わせをしていたのだが…。
「す、すみません。ちょっと人混みに酔ってしまって…。」
なまえが真山に告げると、
心配そうに労るが
「無理だけはするな。
しかし、遅れるなら連絡しろとあれだけ言ってるだろう。」
小言も忘れない。
「すみません…。」
なまえが殊勝に謝ると
ふうっと溜め息をつく。
さりげなく、ふわりとしたワンピースにジャケットを羽織ったなまえの背中に腕を回す。
「おい、そろそろ時間だ。行くぞ?」
「はい。」
なまえは、隣に立つ彼を見上げる。
視線がかちあったところで、
微笑みあうと。
初めて、彼の妻として参加する
高校の同窓会の会場へと向かった。