20000hit感謝企画

□心地よい時間
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高校在学中から、真山に
「特別授業」だの「課外授業」だの言われて
呼び出される機会が他の生徒より多いと感じることもなく。
ただ何となく言われるがままに過ごしていた。

いつからだろう…彼を「先生」ではなく、「男の人」として意識しだしたのは。

そんな事すら、記憶にないくらい。
ごく自然に。

特に「告白」だとか「付き合ってください」だとか、
そういった言葉を告げたり告げられたりした決定的な機会に恵まれたこともなく。

「気がついたら」彼が隣にいて。
「いつの間にか」彼が特別な人として。
そして、学校を出て学生としての肩書きが外れるとほどなくして
彼に将来を委ねることになった。

彼と共に生活するようになってもうすぐ1年。
所謂「ラブラブの甘い新婚生活」という言葉が当てはまるような生活なのか否かはなまえにはわからない。

ただ、彼の妻として。
彼と共に寝起きし。
彼が快適に暮らせるよう、日々工夫を凝らし。
この部屋で彼の帰りを待ち。
彼が休みの日には、彼と共に余暇を楽しむ。

そんな暮らしが、今は…とても心地よい。
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