20000hit感謝企画

□melting love
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(えっ…!?ここって…)

若桜は駐車場へ車を停めるとなまえを降りるように促す。

今日は若桜からドライブに誘われていたのだが
特に目的地は聞かされていなかった。
だから、なまえはいつもの様に
彼の車で少し遠回りをして帰るものだとばかり思っていた。

でも、ここはーー。

「先生、ここ…。」

若桜は得意気に微笑む。

「うん。ここ、来たいって、言ってたでしょう?
女の子、みんなそう言うんだよ…ね?」

そう言った側からごく自然になまえの肩を抱き寄せる。

「…先生っ!」

驚くなまえに動じることなく。

「離れていたら、はぐれちゃうでしょう?
じゃあ、行こうか?」

まさにその日からスタートした
クリスマスツリーを中心とした
イルミネーションストリートへと誘った。

(そりゃ確かに行きたいって言ったし、楽しみだけど…!
誰かに見つかったとしたら…。
それに、先生がすごく近くって…ドキドキする!!)

腕の中にいるなまえが、期待と不安で胸を膨らませている様が手に取りように解る。
若桜はそんな素直な彼女の反応に気を良くして、本来であればできれば近寄りたくない雑踏に足を踏み入れた。
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