その他

□無理せず禁煙してみよう
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「…おぅ。」

仏頂面の土方さんはそれだけ言って

俺に無断でちゅーして来やがった


「なにしてんでさァ?」


別に嫌なわけじゃ無かったが、仏頂面が気に食わねェ


「うっせェ。それ以上しゃべるともっかいすんぞ。」


土方このやろーは無遠慮に俺の華奢な体を抱き締める


しょーがないから抱き締め返せば


一瞬土方さんの体が強張った



「なんでィ?寂しかったんですかィ?」


俺よりでけェ図体して俺に甘えてくるマヨラーを


少し可愛いと思う俺の頭はきっと腐ってる


「…うっせ。黙れッつったろ。」


「図星ですかィ?歯切れが悪くなってますぜィ?」


「…やっぱもう一回させろ。」


一回でいいのか確認しようとした口を塞がれたが


満更出もなかったのでそのままさせておいた


「俺も寂しかったですぜィ。」


長い間俺の唇を塞いでいた土方さんの唇が緩んだ


「やけに素直だな。」


うれしそにを抱き締める土方このやろー


俺はこの数日こいつの事ばかり考えていたのだ

寂しいと気がついたのは随分早かった

帰ってきたら思いっきり甘えてやろうと思った

先に甘えられたが…



「嫌ですね。

俺だって恋人と離れれば寂しくはなりますぜィ。」


そう言ってすり寄ってやればまた唇が塞がれる


「総吾…」


土方さんが少し艶っぽい声で俺を呼ぶ

これはお誘いの合図



「土方さん。」


俺はうつ向き目を反らす





「しませんぜ?」

俺は笑顔でそう言い放つ

「…はァ!??」

間抜けな顔と声で俺の発言に答える土方このやろー



「俺に寂しく思いをさせたペナルティーでさァ。」


さらに間抜けな顔になる土方さんの首に腕を絡め


距離を詰める俺はきっと楽しそうに笑っているだろう


「俺の寂しさを埋めるためにうんと

甘やかして下さいねィ?」


さぁ、これからが本番ですぜ


「そういえば、禁煙には口が寂しいのを

キスで誤魔化すのが効果的らしいですぜィ?」


土方さんの顔が青ざめていくのを確認し俺は

やつの口を自分の口で塞ぐ


「一石二鳥ってやつですね?」




俺の嫌がらせにいつまで耐えられるか見物だ




そう思ってさらに笑みを濃くする俺と裏腹に


土方さんの顔が青ざめていったのは


言うまでもないだろう







えんど
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