イケメン大奥

□触感 … 九条side
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”アイツ”になってもう半月近く経つ

アレでも隠してるつもりか知らねぇけど

九条を見てるとわかる。




”アイツ”の事を見る目



家光にあまり関心のなかったあの九条の目が教えてくれた。









その九条の目を通して




九条の守ろうとしてる”アイツ”を見てるうちに。


引き込まれて戻れなくなっていく自分に気づく





こんな想いは




いつからだろう…











『 触感 』










「ねぇー。」

「何だ、九条。」

日のあたりの良い縁側でごろりと寝転ぶ九条と、それを見下ろす”アイツ”。




良く人が通りかかる所だからか、家光の皮を被ってる”アイツ”。



けど



九条を見るその目は家光の目ではなく酷く優しく穏やかだ。


「あんたもこっちおいで。暖かいよー。」


九条が隣をポンポンと叩く

”アイツ”はキョロキョロと周りを見渡し、ひょっこりと九条の隣に腰を下ろすと腰を巻き込む様に九条の腕が絡み付く



「きゃっ!!」



体制を崩した”アイツ”が九条の胸になだれ込む

「捕まえたー♪」

「こ、こら九条っ離さぬか!こんな所誰かに見られたら・・」

頬を赤らめてパクパクする口に人差し指を当ててにこりと笑う


「誰もいないよ。ねー・・・?」

「ーーーっぅ!」

「・・・・。」


”アイツ”の唇を塞ぎながら九条の視線が俺を捉えた

普段の九条からは想像も出来ない程の・・・



野生の様な鋭い目



 

    
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