絵師番外編

□別物
1ページ/1ページ




※内容が少しだけアダルトになると思います
出来れば成人したかたが読まれることをお勧めいたします






































「大ちゃん何読んでるの?」







「あん?春画だよ春画!」







「しゅ、しゅ、春画!?もう!お店でそんなの見ないでよね!」






「たく・・・いいじゃねえかこれぐらい」






「二人とも仲が相変わらずいいっすね」






「?黄瀬じゃねえかなんだ仕事帰りか?」






桃井の店の前に黄瀬が来ていた。





「そうなんっすよ、さっき新作書き上げて休憩しに来たんっす。桃っちお茶と団子もらっていいっすか?」





「はーい」





桃井は店の奥に消えて行った。





「春画っすか?相変わらずっすね青峰っちも」





「うるせぇよ。お前も読むだろうが」





いや〜こんな茶屋では読まないっすよと黄瀬は苦笑した。するとふと黄瀬は疑問に思ったように青峰に質問した。





「そういえば赤司っちは春画とかの依頼は受けないっすかね?あんだけの画力があったら春画の一つや二つ依頼が来るんじゃないっすか?」







「依頼は来るらしいぜ、でも赤司は依頼された後のことが分かっているからあえて断っているがな」





「断るんすか?あの赤司っちが?」





そこに桃井が温かいお茶とお団子を黄瀬に持ってきた。





「なになに?赤司君の話?」





「赤司っちが春画の依頼を断るらしいんすよ」





「も〜また春画の話して〜!でも、・・・なんで赤司君断っちゃうの?モデルさんがいないから?」





「いいや、モデルなら何人でもいるさ実渕がいるからな」




実渕玲央遊郭の主人で赤司の友人である。






「じゃあなんで?」






黄瀬も気になるらしく寝転んでいる青峰に目を向けた。






「≪そうゆうものじゃなくなる≫んだよ」






「「≪そういうもの≫?」」






「あぁ」






だるそうに青峰は起き上がりキセルに火をつけた。






「一回だけな半分冗談で赤司に春画を描かせたことがあんだよ」





「え〜!!大ちゃん何赤司君に描かせたの!?」







「うるせえぞさつき、話が進まねぇじゃねぇか」






「で、どうだったんっすか?出来は?」






「正ー直、冷めたわ」







「へ?」







黄瀬は驚いたなんせ失敗したことがない赤司が依頼にこたえられないことなどあるはずがない。







「あれは俺達のような欲だけを理由として見る人間が見る代もんじゃなかったんだよ」








そこら辺の絵師が書いた物とは位が違う。








青峰が見たものは男がいない女一人だけの絵だ
った。







ただ一人。美しい女。








青峰は思った。もうこれは春画ではない。






すっと欲が覚めた気がした。






そうなるとわかったのだろう赤司は少し笑っていた。







―――――――





「へぇ〜そんなことがあったんっすね」






黄瀬も懐からキセルを取り出し火をつけた。






「せっかく赤司っちが春画描くんだったら先輩にあげようと思ったっすけどね〜」





駄目見たいっすねっと大きくため息をついた。





「まあ俺みたいに頼んだ人間はほとんど描いたものを見ると返すらしいから赤司は頼まれる前に断るみたいだけどな。」





「はは、赤司っちらしいっすね」








赤司が描く絵は美しい。






黄瀬は想像をした・・・・





小さな子供を傍らに置いてそれを眺めながら今も赤司は絵を穏やかな気持ちで書いているのだろうと・・・・






(笠松先輩の誕生日何送ろうかな〜)








[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ