炎と光

□Episode1
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プリンセスに言われた通り広場を目指して歩いて来たエース、マルコ、サッチ。島の中心部の町はかなり栄えていた。

「ほぉ…。こりゃ、良い食材がありそうだな!」

「飯食いてぇー…。」

「ったくお前らは…。バラバラなことばっか言ってんじゃねぇよい…。ひとまずオヤジ達と集まる
酒場探すぞ。」

3人が広場を歩いていると1人の中年女性が声をかけてきた。

「ちょっとちょっとあんた達!海賊かい?」

「ああ、そうだが…?」

怪訝そうにマルコが返事をすると女性は豪快に笑って言った。

「いやね、ここはタチの悪い海軍が出入りするもんだからさ、正面の海岸に停めたなら東の入江のこと教えてあげようと思ってたのさ。」

「その入江の事ならさっき浜にいた娘さんが教えてくれたよい。」

「丁寧に案内までしてくれたんだよ。」

マルコとエースが口を揃えて答えると女性は嬉しそうに目を見開いた。

「まぁまぁまぁ!それって、プリンセスちゃんのことじゃない?」

「プリンセスのこと知ってるのか?」

「知ってるも何も、この島でプリンセスちゃんを知らない人間なんていないよ。」

3人が女性の勢いに驚いているとさらに女性は続けた。

「あの子は本当に良い子だよ。年寄りや子供が困ってるとすぐ飛んできて助けてくれるんだ。面倒見も良くてねぇ。仕事の合間の休みには子供たちに歌をきかせたりしてね。」

「歌?」

エースは先程のプリンセスの言葉を思い出し、広場を見渡した。確かにプリンセスの言った通り、広場は楽器を演奏する者や歌を唄う者で賑わっていた。

「あの子はこの島の歌姫だよ。歌が本当に上手くてねぇ。子供たちも喜んでせがむんだよ。」

「へぇ、そうなのか。プリンセスちゃんの歌かぁ…。聞いてみてぇなァ。」

「お前はまたかよい…。」

鼻の下を伸ばすサッチにマルコが諦めたような視線を送る。

「あの子の歌が聞きたいなら夕方だよ。あの子は町役場に勤めていてね、昼間は忙しいから仕事が終わった夕方にここで唄うんだよ。」

女性はそう言って広場を見渡した。

「夕方なァ。そういや、ここいらにでかい酒場はあるかい?」

「でかい酒場?ああ、それならすぐそこだよ。」

マルコの問いに女性が広場のすぐ脇の建物を指差しながら答えた。

「あそこは昼間は喫茶店なんだけどね、夕方からは酒場になるんだよ。人気店でね、あそこにすればプリンセスちゃんの歌を聞きながら酒が呑めるってわけさ!」

女性はまた豪快に笑った。

「なるほど、じゃあ…。」

「あぁ、決まりだな!」

エースとサッチは頷き合うと、

「「マルコ!!」」

「はぁ…。分かった分かった。オヤジ達にもあの酒場だと伝えるよい。」


その後女性と別れ、エースは飯屋へ、サッチは食材を買いに、マルコは酒場の場所を他のクルーに伝えに、とそれぞれ別れた。
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