Dream.Oran!~M.H~完
□回想。
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______2年前。
あーあー、修行ってかんじだなぁ。こっちの本社のデザイン担当で、認められるまで帰れないって。帰ったって、本家でデザイン担当して、いずれはお母さんの後を継いで社長になるんだろうけどさ?
早く終わらせたら、鏡夜兄に会う暇くらいはあるだろうか。
「………うーん」
相当大変だよねー?
考えながらオフィスを歩いていると、廊下の先で女性社員が4.5人集まっていた。
中心にはすごく中性的で綺麗な男の人。同い年くらいじゃないかな?見たところ肌白いし、ハーフでしょ。
てゆうか、あの人………なんで、
「あ、白無さん!」
「おはようございます!」
「おはようございます〜、頑張りましょうね〜」
緩く笑ってその場を去った。
ここ、フランスはあくまで支社だからね。今でも修行なのに、まぁまぁ高い位置にいる私。いずれは本家の…と考えられて、年上に敬語をつかわれている。
「あの人は…」
「本家の一人娘の白無さん!才能もすごいの!」
「人柄も良いわよねー」
「ふんわりしていて」
彼と彼女たちの会話が遠くで聞こえ、段々聞こえなくなる。
えー、才能もすごいって褒められてるよ私ー。
はぁ、でもあんな女の人に囲まれて笑っていたのに、あの人は…
冷たく感じた。