Dream.GATE7~Hydrangea~
□出逢う
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こつり、こつりと音を立てて歩く。
この地、京都に足を踏み入れたのは今生では初ではないのかな。
そう、私紫陽花…今は架夢はいま、京都に来ている。
本来は来る予定など無かった。
昔…今ではない戦国の世を生きていた私、は、堂々とこの地に足を踏み入れてはいなかったからだ。
目的も無かったし。だが。
両親は私をおいて出て行った。
もともと子どもを産む必要無かったのではないかと疑う位私の面倒をみなかったから、こうなるとは思ったのだ。
私をおいて堂々と海外移住した。
その時あの人たちは私にこう告げた。
"架夢はまだ若いからここで暮らしなさいね。家は叔母さまのところに行きなさい"
それだけ。
ちなみに、叔母さまの家が京都だ。もっといえば神社。
あの母の姉とは思えないほど優しかった記憶があるからなんとなく私としても嬉しい…なんて思う。
それにしてもやはり懐かしい。
堂々と来なくとも、堂々と来れないのに来なければならぬほどこの地には私を呼ぶものが過去にあったのだから。
…また、ここにいないのだろうか?
いない、だろう。きっと。
私の隠威、集真から聞いた今の状態。
豊家…豊臣と徳川のことと、第六天魔なんちゃらの話を。
平穏を今生でも求める私としては関わらない方がいいし、嫌だ。
なにより徳川の今の隠威持ちといえば最も厄介らしい家光と聞いた。より、嫌だ。
殺戮なんて好ましくない。
と、考えていたらあと少しで着くところにきて居た。
スゥ…ッと、息を吸い込み階段を登る。
「水瀬さん、よろしくお願いします」
箒で掃除をして居た水瀬さん…叔母さまに、挨拶をした。