Dream.HQ!!
□喧嘩。
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藜side
帰って来てからもずっと音楽関係の本を読んでる雨生。
彌生は微笑ましくみてる。
分かってるよ、ぼくたちは
三人で一つ
分かってるよ?
でもさみしいと思うのだけは許して欲しい。
次の日。いつもの通りお昼に雨生のところに行った。
最近は日向くんもいるんだよね、と見ると、日向くんはお弁当を寄せて待っていてそこには雨生のもある。
けど雨生は本とかの話を沢山宇野くん?と、話してた。
女の子みたいだね。
日向くんは微笑ましくみてる。
彌生と同じ。
でもぼくは分からない感情に支配されていた。
初めて。入り込めないと、感じたのは。
入り口で立ち止まったまんまの僕に雨生は気付いて駆け寄る。
雨生「藜だー、あ、もうお昼だった、翔陽ごめんね!…藜も行こう?」
微笑む雨生が、何でか遠く見えて。
知らないうちに口が動いた。
「僕は…用事思い出したごめん、じゃあね」
踵を返すと焦った雨生の声が聞こえる。
雨生「なんで?藜どしたー、体調悪いの?大丈夫?」
優しい言葉すらも、遠ざけるように聞こえる。
いつの間にか日向くんも雨生の後ろでキョトキョトしていた。
「……ずっと音楽してればいいじゃんっ、僕から雨生が遠のいて見えるんだよっ、…ほっといてくれない」
僕はそれだけ告げて、泣きそうな雨生をおいて逃げ出した。