正義の味方じゃないヒーロー
□序章
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『今日、我々風紀委員は生徒会に対してリコールを申し立てる』
とうとうこの日が来てしまった。生徒会長を任せられてから3ヶ月、たった3ヶ月での解任
言葉にならない悔しさと、なんとも言えない失望間で目の前が真っ暗になり、気を緩めると倒れそうになる体に力を入れて舞台に立ち、こちらを見下ろす風紀委員長の大島の顔をじっと見つめた。
なんて不甲斐ないんだろう
たった3ヶ月、たった3ヶ月で学校を崩壊させてしまった。
「なんでそんなこと言うんだよ!」
体育館に響く声に反射して強い耳鳴りが頭に響いた。
お願いだから喋るな
体が震える
頭がグラグラする
綺麗な金髪を揺らしながら舞台に上がるソレを最後に俺の記憶は飛んでしまった。
目が覚めた時、目の前にいるのは父親
不甲斐ない息子を叱りに来たのかと思ったが、父親は目に涙を浮かべた後「当分家に帰れ」と言ってくれた。
助かった、俺にはもう学園に居場所なんてない
よく見渡せばそこは寮の自室で
もう見たくもない紙の山と
何台も置いてあるタブレットを確認している大島の姿が映った。
後はあいつがしてくれるだろう
父親の見たこともない優しい顔を見て、もう一度俺は瞼を閉じた