拍手ありがとうございます(^^)

お題【高尾と緑間が乙女ゲーム『王道学園薔薇色のラブリンス』をやってみた】パート2

※シリーズで、最終までよろしくお願いします。
前回、選択肢を選んでコメント下さった方ありがとうございました\(^o^)/この場をお借りして、お礼をさせていただきます(*^^*)また、前回拍手で載せていた話はシリーズの拍手の方に移しました。



ーー前回に引き続き、高尾sideでお送りします





俺は悩みに悩んだ末、【オカマみたい】を選択した。意外性を期待しての選択だ。まぁ……三次元で初対面にこんな発言をしたら、容赦なく縁を切られるな、絶対。



「おい高尾。お前……オカマって流石にないと思うのだよ」


「まぁまぁ。もしかしたら正解かもしんないじゃん!」


たとえ正解じゃなくても、オカマと言われた副会長の反応も気になるし!
ワクワクした気持ちで画面を見ると、おしんが真顔で『オカマみたい』と呟いたところだった。



『柳瀬(副会長):今……なんて言った?』


【思わずポロリと零れたおしんの発言に、柳瀬はピクリと眉を吊り上げた。怒らせてしまっただろうかと、慌てておしんが言い訳を口にしようとした時ーー】


『柳瀬(副会長):ヤダァーン。もぉ、どぉしてわかっちゃったノォーン?』


ボボーン!

【柳瀬が副会長の装備を外し、オカマの装備を身に付けた。立ち上った煙から現れた柳瀬は、金髪のツインテールのヅラを被り、薄く化粧を施して、ピンク色のルージュがとてもセクスィーだ。スパンコールのドレスが日の光に反射して、おしんの両目をギラギラと刺激する。「アッ、眩しい……」と、おしんは思った】



ぶっ!この副会長マジもんのオカマだったんですけどー!しかも、喋り方!さっきまでの爽やかさをどこに捨ててきたんだよ⁉


おしんの唖然とした表情が、アップで画面に表示された。



『おしん:…………え?』


『柳瀬(オカマ):アタシのこの完璧な変身を見破るなんて、あんたもオカマでしょ!同じ匂いを感じて勘付いたってわけね⁉』


『おしん:いや……わた、ぼ、僕はその……』


『柳瀬(オカマ):ほぉら!今“私”って言いかけたじゃないの!隠さなくてもいいのよぉ〜』


【こうして、おしんは柳瀬にオカマ仲間だと勘違いさせられたまま編入することになった。事ある毎にオカマバーに連れ出されたり、ひっかけ橋で男からのナンパを待ってみたりと様々なオカマ遊びに付き合わされた。最初は嫌がっていたおしんだが、段々と柳瀬に対して言いようのない気持ちが芽生えていく】


切ない音楽が流れ始め、オカマ副会長を潤んだ瞳で遠くから見つめるおしんのスチルが現れた。え、何この流れ。もしかして……?え、でも副会長にそんな気持ちになる要素あった⁉


『おしん:私……副会長が好き。でも、副会長の恋愛対象は男の人。女の私なんて、好きになってくれない……』


【なんて、ツライ恋をしてしまったのだろう。おしんは涙を浮かべて、会長と笑い合う柳瀬を眺めた。きっと、柳瀬は会長の事が好きなのだろう。頬を染めて笑い合う二人に、そっと目を伏せるおしん。この恋は叶わない。おしんは、フラリと電柱にもたれかかり、天を仰いだ】


少女漫画のような絵柄のおしんが、キラキラと光る大きな瞳で、空を見上げている。BGMで時々「ジュテーム、ジュテーム……ルールルルー♩」とか聞こえてくるんだけど、何だコレ。ツッコミたい気持ちをどうにか押し殺して、ゲームを進めた。


【おしんは柳瀬が卒業するまで、その恋心を押し殺し続けた。やがて会長と柳瀬が付き合うことになっても、おしんは柳瀬のいい後輩、いい友人としてそばに居続けた。柳瀬の笑顔が好きだから。だから、おしんは卒業した今も男装を続ける。柳瀬のそばに居続けるためにーーーー。


BADEND:あなたの隣にいたいから】

〜ルールルルー♩ルールルルー♩ジュテーム、ジュテーム…ルールルルー♩




えええええええええ⁉

何このオチ⁉めちゃめちゃスッキリしないんだけど!何なの?おしんは男装し続けるほど、副会長が好きなの⁉どこに、副会長を好きになる要素があったんだよ、マジで。


「バッドエンドじゃないか。コントローラーを貸せ高尾。今度は俺がプレイするのだよ」


パッと俺の手からコントローラーを奪った真ちゃんが、何やら張り切ったように画面を睨み付けた。念の為に選択肢の所でセーブしていたので、画面には副会長の笑顔と4つの選択肢が表示される。


「選択肢どうすんの?結局、褒める作戦で【美しくて惚れちゃいました】にすんの?」


「いや……この乙女ゲームは、普通の斜め上を行くと見た!ということは、俺の選ぶべき選択肢はーーーこれなのだよ!」


ビシーン!と背景に効果音をつけた……ように見える真ちゃんが勢い良く押した選択肢。それは……


「え?」


【汚ねぇ花火だ】だった。


「え、えええええ⁉」


「ウルサイのだよ高尾。黙れ」


「いや、だって……ええ⁉その回答でいいの?斜め上を行き過ぎだろ!」


あなたの笑顔は、汚ねぇ花火ですね……なんて言われて喜ぶ人間なんていねーよ!まさか、今度は副会長のキャラがオカマじゃなくてドMってパターンじゃないよな⁉


恐る恐る画面を見ると、副会長をじっと見つめるおしんの横顔がアップに映った。


【おしんは、柳瀬の笑顔を見て黙り込んだ。ふつふつと湧き上がる思いは、ドキドキとか……そんな甘いものではない。これはーーそう、不快感だ。目の前の男、柳瀬の笑みに自分は言いようのない不快感を抱いたのだ……。そう自覚した瞬間、おしんはスーパーOSHINに変身した】


ボッ!と髪の毛を逆立てたおしんが、画面いっぱいに広がった。ちょ、えー⁉マジか!またドラゴ〇ボールネタかよ!これ、ホントに乙女ゲームなの⁉そして、真ちゃんは何で何も突っ込まずに画面を見ていられるわけ⁉よく真顔でいられるね!俺はもう色々と爆発しそうだよ!主に腹筋がね!



『柳瀬(副会長):フ……まさか、転校生の正体がスーパー人間だとはね』


スーパー人間ってなに⁉スーパーサイ〇人っぽくしたかっただけだよな⁉


『柳瀬(副会長):いいだろう。相手をしましょう』


【柳瀬は合気道の構えをとった。まるで隙がない。相当の手練れだと、スーパーOSHINは冷や汗を流す。この男……ただの胡散臭い笑顔の男だと思いきや、そうではないらしい。一体何者か】


いやいや、ヒロインこそ何者だよ!


『柳瀬(副会長):ふふん。僕の戦闘力は53万です。舐めないでくださいね』


『スーパーOSHIN:なっ⁉53万だと……⁉』


【バカな!格が違いすぎる……!スーパーOSHINは、目の前が真っ暗になるのを感じた。どうして、自分はこの男に喧嘩を売ってしまったのか。一時の過ちだとはしても、過去の自分を殴り飛ばしてやりたい。この男の戦闘力は高い。自分ごときが、敵う相手ではなかったのだ。スーパーOSHINは思った。




ヤムチャしてしまった…………と】



いやいや、そこはボカせよ!
思いっきりヤムチャって名前出してんじゃん!“無茶をしてしまった”を上手いこと掛け合わせたつもりでも、全然上手くないよ!もはや乙女ゲームじゃねーし、訴えられそうなレベルでドラ〇ンボールネタをぶっ込んでくるし……!


てか、何で俺はゲームごときでこんなに突っ込まなきゃなんないわけ。真ちゃんも今日に限って、ボケに回ってる気がするし……おかしくね?俺って突っ込みキャラではなかったはず。むしろボケの方だと思ってたんだけど……アレ?



『柳瀬(副会長):覚悟して下さいね、転校生君。行きますよ!』


ビュッ!

乙女ゲームの絵柄で、何故か戦闘に突入した副会長が、おしんに拳を突き出した。


『スーパーOSHIN:は、早い!』


副会長の拳が、おしんに直撃。うわぁ……おしん、一応ヒロインなのに。顔面パンチって……。


『スーパーOSHIN:ぐはぁぉあ!』


【柳瀬のパンチで、スーパーOSHINの変身が解けてしまった。意識が朦朧とする中、遠くで柳瀬の笑った気配を感じながら、おしんは何とか気絶する事なく瞳を開けた。そこに広がっていた光景に唖然とする】


『ボロボロの帽子:ドルフィンドール!』


『おしん:え』


画面に広がっていたのは、先ほどの学園の門前ではなく、どこかの大広間だった。その大広間に、何処となく見覚えがあるような気がして……。あ、いやな予感。





.






[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ