遥貴

□傘
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「遥には関係ないって!」

しつこく、聞いてくる遥についイライラして怒鳴ってしまった。 教室にいるのは気まずくて外に出た。
空は私の心を表したかの様な雨。
目的もなく雨の中を走り続けた。

でも、いつまでたっても遥に対する罪悪感は消えなかった。

「ごめん、遥、、、」

そんなとき、聞こえたのは遥の声だった。

「貴音、さっきはごめん。」
「それは、」

遥は悪くない。そう否定しようとしたとき、

「でも、貴音のことはなんでも知りたいんだ。 」

遥はいつでも私のことを考えてくれていたんだ。 こんな雨の中探しにきてくれるように。

「一緒に戻ろう。先生も心配してる。」

そう言って、私を傘の中にいれた。
でも、傘は私の方に寄っている。

「遥が濡れる、もっとそっちに寄せろ。」
「だったら、貴音がもっとこっちに寄ればいいんじゃない。」

いつもなら、反抗するところだが今日はそんな気になれずに遥に近づいた。
遥はそんな私を見て笑った。

「今日は素直だね。」

遥の言葉には答えず、ただ2人で寄り添って帰った。

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