遥貴
□水族館
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「貴音。 これ先生にもらったんだけど、」
休日の朝、訪ねてきた遥が持っていたのは水族館のペアチケットだった。
「一緒に行こ!」
特に用事もなく暇だった私は行くことにした。
電車に乗ること数十分。地元で人気の水族館に到着した。
すると突然遥が私の手を握ってきた。
「ど、どうした?」
「普通こういうことするもんじゃない?」
遥はさも当たり前のように言った。
最初は右手に感じるなれないぬくもりに戸惑っていたけど、水族館の中にはいってみると楽しさでそんな気持ちはどこかへいってしまった。
いろんなところを回っているうちに遥がいなくなっていた。
あたりを見てみると、壁際に寄りかかっている遥がいた。
「遥! 大丈夫? 遥!」
近づいて顔を寄せると、腕を掴まれキスをされた。息がもたなくなったところでやっと解放された。
「な、なにを‼‼‼‼‼‼」
そうすると、にっこり笑って
「貴音があんまりにも僕をかまってくれないから。」
か、かまってくれないからって、、、
「そ、そういうのはだな、こ、公衆の面前でやるべきじゃないだろ。」
「じゃあ、今度うちに泊まりに来る?」
遥の言葉に恥ずかしがりながらも、喜んでいる自分がいた。
「そ、そのうちな。」
そういうと遥は満足げに笑った。