*Other*
□芸術性に富んだ日々
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【拍手SS】
(おそチョロ)
「僕さ、結構芸術好きなんだよね。芸術っていうか、アートっていうの?うん、好きかな」
唐突。
テレビを見ていたチョロ松が、視線はそのままにそんなことを言い出した。
どうせライジングですねお疲れ様です。
「この番組の古き良き芸術も良いけどさ、一応21世紀を生きてる訳だしやっぱり現代アートだよねー。斬新さとか奇抜さがないとダメだよ、生き残れないもの」
「へーほーふ〜ん」
「聞く気ないよね兄さん。それでさ…」
話すんかい。
まぁライジングするチョロちゃんも可愛いから止めないけど。
なんて聞き流しつつ心の中でデレデレしていたら、何故か目を輝かせながらずぃっと身を乗り出してきた。
条件反射的に俺も少し後ろへ。
「行こ!赤塚現代アート展!!今なら入場料無料なんだって!」
「えっ」
「たまにはこうやって芸術に触れないと美意識が腐っちゃうでしょ?だから、行こ!」
ちょっと強引気味に、でもどこか少し不安そうにしながら。
そこではたと気付く。
…あれ、これライジング気味だけど遠回りなデートのお誘いじゃね?
そうきたら断るなんて勿体無い。
「いいよ、行こっかチョロ松」
そう言ってやればパァッと輝く表情。
そんな風にくるくる変わるお前の方がよっぽど芸術的で可愛くて綺麗だよ、なんてのはライジングしてるから言ってやんない。
*芸術性に富んだ日々*
(お前といるだけで毎日が芸術展だから、なんてどこの次男だよあ痛てて)