*Original*

□初恋メモリー
2ページ/6ページ

──二年前。
「やっほー深桜ちゃん!!雪降るかな!?ねぇ!!」
「や…やっほー楓歌ちゃん。テンション高いね…?」
聞き慣れた声に振り返ると、そこには塾友・楓歌ちゃんがいた。
現在二月。来年なら中学受験も終わっているだろうから楓歌ちゃんみたいなテンションでも分かる。だが待て。今はただ寒いだけ、おまけに今日は一番怖い先生の授業だってある。普通なら暗雲をまとわりつかせるはずだ、うん。
「なーに言ってんの!!バレンタインだよ来週!!謎多き深桜ちゃんの好きな人が分かるんだよ!?ふっふっふ…貴女の好きな人は誰だい?スルーはナシだぞ…ミ・オ・チャン♪」
怖い怖い!!普段の大人びた楓歌ちゃん何処いった!?って、私が謎ぉっ!?
「だってさー、深桜ちゃんあんまり自分のこと語らないじゃーん。で、どーなの?」
ゔ。そんなこと言われても…でも。
私の視線は無意識のうちにある男子に向いていた。楓歌ちゃんが私の視線を追ってきょとんとした後、ニヤッと笑った。
「ほほーぅ…。大久クンがお好きですか。深桜ちゃんも物好きだのー?」
…しまった。無意識って怖い。ってか、物好きって、何故に。
「あいつ、モテるよ?地味に。」
…。あ、ハイ、そうデスカ。ジョウホウアリガトウ フウカチャン。イガイトショックトカオモッテナイヨ。
「…おーい?大丈夫かー?まぁまぁ、諦めんなって。ファイトぉっ!!」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ