*Original*
□かわらぬ愛が帰宅すると届いてる件について。
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そして誕生日前日。
私はききょうについていた文書に硬直していた。これは、まさか。いや、そんな、私が。
これは男子の字だ。
『明日、学校が終わったらとんぼ時計台の前にいて下さい。』
次の日。誕プレで重くなった鞄と共に、私は小さな緑地の中にある、とんぼの彫刻が無駄にすごい時計台の前にいた。昨日の想像が当たっているのなら、人の少ない今の時間であるのはありがたい。今日、ききょうはどうなっているのだろう。
「…待たせてごめん」
突然。声をかけられて驚いた。突然だったからじゃない。
そこにいたのは、幼馴染みだった。ききょうを持って赤面した彼がそこにいた。思わず心臓がとくん…と跳ねる。
「…なんで。貴方が」
「…ききょうの花言葉、知ってるか。」
あぁ、そうか。だから、貴方が。
「…かわらぬ愛、でしょう?」
「その通り。……答え、教えろよ。」
百日前もアピールし続けたんだからな、なんて。呼吸すらも危うくなる笑顔で言わないでよ。
「…決まってるじゃん。」
今日で、『ただの幼馴染み』は終わりだからね?
こっちは七年も待ったんだから。
→あとがき