短編*歌い手
□放課後の教室で、
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(まふまふside)
君があいつに振られた日
僕が君に告白をした
勝ち目がないことくらい、分かっていた
振られたときに告白するなんてずるいって分かってる
君の笑顔を見ていられるならそれで幸せ、なんて
言い訳ばかり探していたんだ
好きだったのに
好きだったなら
正々堂々、戦えばよかったじゃないか
(どうして、今言ったの、)
君の涙が、僕の両手を濡らしていった
(私もう、分かんないよ、)
僕の手を振り払って、走り去る君の背中が鮮明に思い出される
僕は、
僕だって、どうすれば良いのか、
分からなかったよ、