短編*歌い手
□無防備な君へ
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『わ、……っ、』
反動で前から僕に抱きつく形になる
恥ずかしいのか、『ご、ごめんね』と顔を真っ赤にして離れていく
けど、僕は離さない
『歌詞さん、?』
「ねぇ、なまえ」
『…………、』
そっと彼女の頬を撫でて、顔を近づける
『待って、ご飯食べてから……、』
「ええ、どうしても?」
『食は大事だよ!!!』
元気いっぱいに力説してくる
仕方ないなぁ
スプーンでオムライスをすくい取って、僕の口に含んだ
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