短編*歌い手
□ショートケーキ
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『るすは、もう少しダサくても良い』
「えー……」
るすを見て紅潮する店員が置いていった紅茶をすすりながら言う
えー、じゃないの
『格好良すぎるの、だから女が寄ってくるの』
同様に、店員が置いていったケーキをフォークで刺す
「うーん、肯定は出来ないけど」
ケーキを口に運ぼうとした私の手を掴んだるす
そのまま、私のケーキを食べてしまった
『ちょっと、』
「なまえとイチャイチャしていれば、
女の子は寄ってこないんだけど、ね」
『…………っ、』
妖艶な笑みで私を捉える
遠回りに、でも確実なアピールだった