Out of eden

□ダークタウンの幽閉塔
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「……は? 騙された?」

「そうなの! やっぱり榊遊勝の息子だからかな」

 遊勝塾襲撃(という名の訪問)の翌日。
 私は遊勝塾に向かったはずの何人かに話を聞いてみた。
 ……が、どういうわけか、返ってきた答えは皆同じだった。

「ペンデュラム召喚はインチキだったんだよ。昨日発動しなかったんだし」

「発動……」

 友人たちのその言葉に、昨日の出来事を思い出す。
 昨日遊矢はペンデュラム召喚の修行――という練習をしていた。
 本人曰く、石島とのデュエルで行ったペンデュラム召喚は、ほぼ無意識に発動した。ということらしい。
 つまり、彼は召喚方法を覚えていない――わからない、と言うわけだ。

(やっぱり、彼自身何かあるのか……?)

 ペンダント、もといペンデュラムから発した光が関係してるのか。
 私はミステリーな類いは興味ないが、遊矢が気になるのも事実。

(しばらく引っ付いてみるかな)

 ペンデュラム召喚の謎も解明できるかも。あと、彼自身可愛いし、からかうのが楽しいから、退屈しなくてすむし。

 ――――

 授業が終わり、本日の学校の時間が終了した。
 早速遊矢に連絡入れようとすると、すでに一通のメールが入ってた。

「遊矢から? どれどれ……」

 相手は遊矢から。早速確認してみると……。

「げっ。LDSに……?」

 俺にとっちゃ最悪な状況。
 何でもLDSの生徒が、そこのセンターコートを貸し切りにしてまで彼のペンデュラム召喚がみたい、というものだった。
 ……どうにも嫌な予感しかしない。

(アイツに会う可能性があるから行きたくない……。けど、これはどう考えても遊矢への罠だろうし……)

 足を進めながら葛藤中。
 しつこい勧誘者たるアイツと会うのは避けたい。
 だがLDSの生徒が、遊矢の為にをわざわざ貸し切りにしてまでペンデュラム召喚がみたいなんて……どう考えても怪しい。

(しかもタツヤ君たち小学生ズを引き込んでいくなんて……)

 遊矢を連れ込む気満々、というわけだ。
 LDS。ここからなら遠くはない。

「……しかたない」

 LDSに行ってみるか。遊矢が心配だし。
 アイツに会わないようにすればいいだけだもの。

 ――――

 というわけで、やってきましたLDS。
 こっそりかつ堂々と……要するに他の生徒の後にくっつき、怪しまれないように入りました。尾行の基本ですね。

「さーて……センターコートとやらは……」

 ……………………。どっちだろう?
 ここはひ・ろ・す・ぎ・る!!
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