君が欲しい(黒バス
□凸凹コンビ
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中学を卒業してから何ヶ月かした頃、紫原の携帯に一通のメールが受信された。
「赤ちん?」
画面には『赤司征十郎』の文字。
帝光中バスケ部キャプテン、キセキの世代の一人、赤司征十郎からだった。
"敦
久々だね。急なメールでビックリしてるだろう。すまない。
これといって用はないんだが、どうも君の声が聞きたくて。"
「声が聞きたいんなら電話してくればいいのに」
赤司は洛山、紫原は陽泉と東と西で離れている。
プルルルルルプルルルルル
「あかちーん、俺ぇ」
「敦か、何の用だ?」
「何の用とか聞かないでよね、赤ちんがあんなメールしてくるから」
「……会いたい」
ーーーえ?
「会いたいのぉ?」
「あぁ」
赤ちんからそんなこというと思わなかった。
「んじゃあ、今度の三連休の時にでも行くよ」
「部活があるんじゃないのか?」
「ん?別にいいしー。俺も赤ちんに会いたいんだよねー」
言葉としては軽々と聞こえる。が、こう何ヶ月も会っていないと寂しくなるものだ。
それに、二人は恋人という関係がある。
遠距離とはいえ、定期的に会わなければストレスも溜まっていくだろう。
「わかった。どこで待ち合わせだ?」
「そっちに行くよー。じゃあねー」