涙のち晴れ
□始まりの記憶
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一時間目のはづなのに。
隣で舟をこいどる転校生の綾瀬さん。
何で早速ねとんねん...。
確かこいつ、授業開始してから15分でコレやった気する。
「.....。」
まぁ、きっと転校してきたばっかやし今まで忙しかったんやろ。
しゃーないと言えばしゃーないけどな。
でも、ここは心を鬼にして....
「起きや!何いきなりねとんねん。」
「んん....。」
「起きやぁ〜ほら、そろそろ授業終わるで。」
「............ハッ!!ちょっ、私寝てた?!」
「おん、気持ちようねとったわ。」
「マ・ジ・で・か!!!」
「........お前、実はアホやろ。」
「何か言いました?」
「....いや、何もないわ。」
_____休み時間。
チャイムが鳴るや否や綾瀬さんの周りには人だかりが出来た。
「なぁなぁ、綾瀬さんは何でこんな時期に転校してきたん?」
「なぁなぁ、綾瀬さんって前の学校で何してたん??」
「なぁなぁ、さっき授業中寝てなかった?w」
「なぁなぁ、li●eやってる??」
「なぁなぁ、俺と連絡先交換しよーや!!!」
綾瀬さんの席に来ては、一斉に質問攻めをしてくるクラスメイト達。
なぁなぁ攻撃にオドオドしてる転校生。
うん、面白い。
この瞬間、俺の中のお気に入りリストに追加された。
これからこいつで楽しめる気しかしぃへん。
「何や白石、楽しそうやな。」
「....まぁな。」
「....。」