パパと呼んで
□３話
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アーシーの部屋に訪れた若葉は彼女の妹達と自己紹介を終えた直後、クロミアとエリータワンからの執拗な質問への対応に追われることとなる。
「メガトロンと博士の結婚に思う事は無いの？」
「というか、メガトロンは貴方に甘すぎよね？」
「さっき私達も知ったのだけど、博士は妊娠されたのよね？おめでとう！」
「ビックリよねぇ？貴方は弟派？それとも妹派？あ、ちなみにメガトロンの部下達は弟派で、オプティマスの部下達は妹派が多数よ！」
鬼気迫る勢いで問われた言葉に若葉は困惑しながら視線を彷徨わせながら、緊張故か少しばかりいつもよりも引きつった声で答える。
「母の結婚に関しては素直に嬉しいなぁっと思います。えぇっと・・・赤ちゃんに関しては元気で生まれてきてくれればそれだけで私は嬉しいですね」
日本人特有の当たり障りのない返答をした若葉に対し、クロミアとエリータワンはつまらないと言うかのように顔をしかめたときだった。
あきれ果てた様子のアーシーがコホンと一つ咳をすると、２人の妹達の顔がしまったと言いたげに歪む。
「若葉。私の妹達の戯れ言に付き合わなくて良いから浴室に行ってきて？」
「でも・・・」
「お湯も溜めてあるから好きに使って構わないわ。色々とごめんね。この子達は私の方から言い聞かせておくから安心して？」
背中を押されながらアーシーの手により浴室に押し込まれた若葉は困惑した顔をして立ち尽くしていたものの、シャワーを浴びた後はメガトロンと共にオプティマスの部屋に行かなければならないのだから時間を無駄にしては駄目だと判断すると、着ていた服を脱ぐと浴室のドアを開ける。
中は白を基準とした造りとなっており、若葉はバスタブに近づくと身体を洗っていた時だ。
「若葉？」
「は、はい！なんでしょうか？」
アーシーの声が聞こえた為視線をドアへと向けると、曇り硝子越しにアーシーの姿が見えた。
「貴方の着ていた服なんだけど洗濯しても良いかしら？」
さすがに自分の着ていた服まで洗ってもらうなんていう事までお世話になることはできない、そう判断した若葉は断ろうと思うがアーシーの気分を害さないようにしつつ、どうやって断ろうか？と考えるがコレと言って特に思い浮かばない。
「え、えぇっと・・・」
「返答がＮＯではないから洗っておくわね」
「い、いえ！そこまで甘えるわけには」
「大丈夫よ！！ちゃんと温まってから上がるのよ？シャンプーとボディソープは好みのモノを使ってくれて構わないからね？」
硝子越しにアーシーが手を振ってきた事に気づいた若葉が条件反射で手を振り返すと、アーシーは去って行く。
残された若葉は何とも言えない気持ちになりながらも身体を洗い、髪を洗い、バスタブに身を沈めると深々と息を吐き出す。
「・・・・お姉ちゃんがいたらこんな感じなのかなぁ？」
膝を抱えながらポツリと呟いた言葉が浴室に響く。