もうひとりの主人公編 弐

第拾壱話【どこの時代でも女性とは一緒ですね】
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『...(色々あるのですね)』

「布団の柄とかどれがいいかなー?」



二人はシングルベッドコーナーでぐるぐると回っていた




『あ...(この蒼色の丸の模様が入ったのいいですね)』

「ん?これ?青色の水玉がいいの?」


『みずたま?(...こんな模様をしていたら、みずたま、とやらなのですね)』





丁はじいと見つめる。
脳内にインプットしたようだ


丁は一通り見終わると、例の水玉の布団一式があった場所へと行く





『これがいいですっ!!』

「お、おお一周しただけで速攻決まったね!!!」




丁は選んだベッドに座り、柔らかさを確かめる
...吉良の布団よりかは硬いですが、まあいいでしょう




『...何やら気分が晴れたので、ささっと決めれたのです』

「...そっか」



『!?...吉良さん?』





彼女は座っている丁を、ぎゅうと抱きしめてきた
余りの出来事で、逃れることを忘れる。





「...」

『あ、あの...人目が..』




丁は目だけを周囲に向ける。
目線が痛い






「あ、ご、ごめんねっ。じゃあ次行こっか!!」

『は、はい!!』




丁はやっと解放され、ほっと一息入れる
...べ、別に緊張とか何もしてませんよ





「...っても次はー..なんだっけな。買うもの全部吹っ飛んじゃった」

『...大丈夫です。私が買わなければいけないものを書き出しておきました(大雑把ですがね)』


「おおおおおお!!さっすが丁くんっやるね!!!」




丁は口角を上げる。
内心褒められたことにものすごく喜んでいるようだ

丁は紙を取り出すと、彼女に渡す





「あー...っと次はお洋服とかだったね。すっかり忘れてた..これが一番本命だったのに」

『本命...?(お布団が本命ではなかったのですか?)』




丁は吉良に手を引かれ、またえすかれえたへ乗り込む
どうやら今度は下へ行くようだ




「そうそう。さすがにあの格好じゃどこにも行けないからねー。まあだからってその格好もなんかこう...気怠げみたいだし」

『気だる気??...良く分かりません』





丁は今身につけている服を見下ろす。
確かに、なにかこう...下はいいのだが上がみっともなく感じる




「あっそこ足元気をつけてね?...私よく、エスカレーターの境目で躓くから」

『え?あ、はい(そこまで段差はないような気が...)』





二人は乗り込み、5階ファッションコーナーを目指す





「んー...丁くんに似合いそうな服..思いつかないなー」

『吉良さんが思いつかないのなら、自分で決めてもいいですか?』



「まあ、こればかりは人の好みだからねー...うん、いいよー」





彼女がこくんと頷くと、快く快諾してくれた
...好み?私の村では皆統一だから分かりかねますね





『ありがとうございます。』

「いいえー...あ、降りるときも気をつけてね?」


『え?あ、はい...』






丁はエスカレーターをなんなくと降りる
しかし彼女は――――――





「よっとてちょっ...!?」

『わっ!?』





彼女は足を早く出しすぎ、えすかれえたに躓く
幸い、転んではいなかったので難は免れ...た?

...それと何故彼女がよく躓くと言ったのか、納得しました





『(...これが辞書に載っていた、ドジっ子というものなのでしょうね)』

「また引っかかったし...丁くん大丈夫だった?」


『あ、はい。無傷です』





丁は日頃の勉強で得たもので彼女の特性を理解したのであった―――――――――
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