短編

□U
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『何ー?リーマスも欲しいの?』

そう言ってリーマスの方へ近づいていく。

もう、これじゃあジャンケンした意味ないじゃん。

リーマスにマフィンを差し出したが受け取らずに私を見つめる。

『…あれ?おーい、リーマスー』

「なぁに?」

『あ、いや、マフィン欲しかったんじゃないの?』

ほら、と差し出すも受け取って貰えない。

「僕、マフィンはいらないや。ジャンケン負けちゃったし」

といって、にっこりと笑う。

あ、いらないの?それならそうと言ってくれれば良かったのに。

「でも、1回戦目で負けたジェームズが貰ってるのもなんかムカつくから、」

マフィンを差し出した手を引っ込めようとしたそのとき、リーマスが私の腕を掴んで引き寄せる

なにすんだ!と文句言ってやろうと上を向いた瞬間、

ペロッ

口の端をな、なめ、舐められたぁあ!?

その様子を周りの人達は呆然として見ていた。

「これで我慢するよ」

暫く呆然としていた私も状況を把握するとカァ-ッと顔が熱くなり赤くなった。

リーマスは、そんな私の耳元で

「ごちそうさま」

と、低く囁いて何処かへ行ってしまった。

へなへなと床に座り込む。舐められた口の端が熱い。というより頬が熱い。
火照った頬を冷ますように手を当てる


大人しいと思っていた彼の優しい笑顔には
裏があると知った、そんな日常。




(「やるわね、ルーピン」)
(「リーマスが、肉食系、だと…!?」)
(「すごいや、リーマス…」)
(「…なんか、ムカつく」)
(『た、食べられるかと思った…』)
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