短編
□U
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「『さーいしょはグー、じゃーんけん…』」
「パー!」『チョキ!』
『やったぁー!!これでこのマフィンは私のもの…!!』
今、私はリリーの焼いてくれたチョコチップマフィンをかけてリーマスと勝負していた。
ちなみにジェームズとピーターは1回戦目で負けている。
シリウスは甘いものが苦手なので棄権した。
「あーぁ…負けちゃった」
『ふっふっふ。ではでは遠慮なく、いっただきまーす!!』
そのままがぶっとマフィンにかぶりついた。
『う、美味あぁ〜…!!』
さすがリリー。美味いよ、これ。お店出せる。あんたなら出せる。
「ふふっ。喜んでもらえて良かったわ」
と、リリーが嬉しそうに微笑む。天使…!
その横でジェームズが私を羨ましそうに見つめる。
「ああぁぁ…、リリーの作ってくれたマフィン〜…」
『へっへーん。いいだろージェームズー。あげないからねー』
といって、ジェームズの前でマフィンを頬張る。
しくしくと泣き出すジェームズ。泣いたって駄目だかんな!あげな、いからな…!
『…一口だけね?』
それを聞くとパアァァッと顔を輝かせたジェームズが飛び起きる。
なに!?くそぅっ!こいつ、嘘泣きか!
笑顔のジェームズに一口だけあげていると、後ろから視線を感じた。振り返るとリーマスがこちらをじっと見ていた。