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視界がかすんで世界が真っ白だ。
とうとう死んでしまうのか。
俺はふと考えた。
長かった。死にたどり着くまでの道は途方もなく長かった。
しかし、それももう、終わるのだ。
すぅ、と目を開けてみようと目蓋に力をいれてみる。
天国は綺麗で、なだらかで、花が沢山咲いている所と耳にはさんだことがある。
行ったこともない場所なのになぜわかるのかと同僚はバカにしていたが、自分はそれを心のどこかで信じていたのかもしれない。
とりあえず、静かに暮らせる場所であればそれでいい。
柄でもないなと、ふと笑みを溢して
ようやく瞳を開けてみた。
そこには眩しいほどに輝くオレンジの太陽が待っていた。