暗闇の中の眩き光

□窮奇編1
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この騒がしい・・・否,元気な少年。

実は,おの大胆不敵で妖怪の世界に足どころか首まで浸かったような妖怪じみたあの安倍晴明の孫だったりする。



「まずいってぇぇぇぇっ!」


昼餉という名の朝餉を掻っ込んで屋敷をドタバタと駆け回る。
もう少しで門から足が出ようというとき。

「これ。昌浩や。」

「なんですかっ じい様!?俺はもうとても急いでいるんですが!」

「今日は物忌みというておいた。紅蓮には伝えておいたのじゃが,どこにいったのかのぉ〜」

口元にニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべながら晴明は,小爆弾を投下した。

「も・・・もっっっくうぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!!?

「・・・・・・・・ヒッ」

「くぉぉぉぉぅらぁぁぁぁあぁぁ!!」

「ぎゃぁぁぁぁああぁぁあぁぁあっっっ!」







まったく,朝から波瀾万丈である。



ずんずんと足音を立てながら,昌浩が門から遠ざかろうとしたとき,ふいにガタンと音がした。

「「っ!?・・・・・・」」

もっくんと昌浩が顔を警戒の色に染める。
しかし次に見えたものにはっと息をのんだ。




ガタッ・・・






ドサッ・・・・・・・・




人がゆっくりと門前でくずおれた。



―――あの紅いものは何だ?


――血だ・・・


―――あいつは誰だ?

――・・・・・・誰だ?


―――なぜ紅い・・・・・








「だ・・ 大丈夫ですか!?」





昌浩が声を張り上げた。









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