short story
□ユス‐たったひとつの願いが叶うなら。‐
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あの日、君は俺に微笑みかけた。
―…ユチョン!買い物しに行こうよ♪
そう言いながら、優しく微笑んでくれた。
もし外に出ていなかったら、
もし俺が、あのとき“嫌だ”と言ったら
もし俺が、あいつの存在に気付いていたら
もし俺が、君の異変に気付いていたら
君はまだ、俺の隣で笑ってくれてた?
『ユチョン!』
君はいつだって、俺の名前を呼んで、俺の好きな独特の笑い声を聞かせてくれたのに。
『…僕を愛してくれて、ありがとう。』
あの日…俺は、君の最後の声を聞いた。
その言葉は、あまりにも悲しくさせた。
今でも愛してるのに。
こんなにも苦しいほどに愛してるんだよ。
どうして、俺のそばから離れた?
どうして、こんな俺をかばった?
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