short story
□ユス‐たったひとつの願いが叶うなら。‐
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次の日、ジュンスが目を覚ました。
『…ん。』
「ジュンス!?」
『ぁ、ユチョン…。…ぼく、もう苦しいよ…』
苦しい?もう諦めてもいいってこと?
ジュンスは、もう俺と生きたくない?
そう思った。
「なんで…?」
『…僕ね…病気なんだ。もう長くないんだ…』
俺は言葉が詰まった。
なんの異変にも気付かなかった俺は本当にジュンスを見てこれたのか自分を責めた。
『ごめんね、ユチョン。内緒にしてて……、ここのお医者さんにも内緒にしてもらってて、一緒に生きれなくて、本当にごめん…。』
俺とジュンスの瞳からは涙がこぼれた。
『ユチョン。僕は、ユチョンをかばったこと、後悔してないよ?大好きな人を守れたんだもん、ずっと守ってもらってたから今度は僕の番。だから、自分を責めたりしないで…。』
「っ、ジュンスっ、俺は諦めないからっ…。絶対、お前を守るから…っ」
そしたら、君は優しく微笑んで
『ありがとう。ユチョンはずっと僕の心の中にいるよ。』
そう言ったよね。
『ユチョン、愛してる。』
「っ、なんでそんな最期みたいな言い方っ…!」
『プレゼントも、ありがとう。』
「これっ…、」
出逢えた記念日のプレゼントは、指に光るリングだった。
『ずっと残る物…本当に嬉しかった。』
ジュンスは苦しみながらも
精一杯の力で、俺を抱きしめて
『…僕を愛してくれて、ありがとう。』
そう言った。
「ジュンスっ…愛してるっ…」
俺の言葉を聞いたあと、ジュンスは優しい表情をして、俺の背中にまわした君の腕が離れていった。
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