short story

□ユス‐嫌いになんてなれないよ‐
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JS Side


―――… ジュンス


今日も聴こえる…、ユチョンの声。悲しくて…どこか寂しい声。

目を覚ますと、やっぱり君はいなかった。君がいない毎日は馴れないよ。


外を見ると雨…。まるで僕の心を映すような雨。
悲しくて、苦しくて…、でも涙は出なくて。

ユチョンが僕に別れを告げた日から寝ても冷めても…、いつも君の声が聴こえてくる。

"ジュンス" って…。いつもと変わらない君の声。


『女を好きになった』そう言って、僕から離れていったね。
"女なんて好きにならない" ってお互いに言いあってたのに、君は…その"女の人"を守るために僕から離れていった。

なんで?ひどい言葉だったはずなのに…
なんで僕はユチョンを嫌いになれない?


『ジュンス…』


また君の声が聴こえる…。


『ジュンス!』


…あれ?なんでこんなにリアルに聴こえるんだ?

そう思いながら後ろを振り返った。


「ユチョン…?」


君が雨に濡れた姿で立っていた。


『俺は嫌われようとして嘘をついた…』


ユチョンは悲しい顔をして僕に云った。
僕は何も言わずに、耳を傾けていた。


『どうしたら嫌われるか考えた…女を好きになったって言えば…憎んでくれると思ったんだ…。』


なんでそんな嘘をついたの?
僕はユチョンを憎んだりしないのに。


『最近ジュンス苦しそうだったから…、俺のこと嫌いになって離れれば楽になるって思った。』


僕の問いに答えるかのように、君は話してくれた。


「…それで?」


僕は涙を我慢していても
声が泣いてるのに…、強がってしまった。


『でも、ごめん…。ジュンスがいないと俺は生きていけない』


その言葉に、僕は涙を流した。


「もうどこにも行かないで…!」


女の人みたいな事を言ってしまうのも、女の人みたいに泣いてしまうのも…、ユチョンが本気で好きだから。

毎日聴こえる君の声は、僕を呼んでいたんだね。


『ジュンスおやすみ…』


そして僕たちは抱きしめながら朝を迎えた。

君の寝顔を見るの何日ぶりかな。
たとえまた君が僕に嫌われようとしたり、僕のことを嫌いになっても…、
僕はユチョンを嫌いになんてなれないよ。

君の頬に触れたら君は目を覚ました。


"おはよう" という君の笑顔。
"ジュンス" と僕を呼ぶ君の声。

その声は悲しくて寂しい声じゃなくて…、
すごく優しくて綺麗で幸せな声…。


『ジュンス…、愛してる。』


今日も僕は君の声を聴きながら生きている。



‐END‐



ユス小説‐嫌いになんてなれないよ‐(完)

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