とある屋敷
□パーフェクトブルーに溶ける〜極楽鳥〜
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夢を見た。不思議な夢だ。
自分は鳥になって空を飛んでいる。眩しい陽光に金と紅の豪奢な尾羽をひらめかせ、極楽鳥の如く美しい両翼を広げ、一心に。
目の前一杯にあるのは、一点の曇りなき、完璧な青。刻々と変化する深みのある色合いと、無限の広がりを持ったそれは、愛しい彼の瞳に酷似している。
益々、強く羽ばたいた。
あの青の果てまで飛んでいきたい。あの色に抱かれて、少しずつ溶かされて、呑み込まれ、一つになってしまいたい。
空に向かい、一直線に飛び続ける。しつこく絡み付く重力を振り切って、果てへ。
突然、体中に激痛が走った。見れば、片翼がもげ落ちている。
推進力を失った体は、下へ下へと落ちていく。羽がぱっと舞い散った。
離れていく空の蒼さを見つめる。
嗚呼、と頭の片隅で嘆いた。
自分は、あの青に拒まれたのだ。