FlOWER

□彼女が好きと言った理由
1ページ/1ページ


───────あの日から10年。

<七つの大罪>は、王国転覆を謀った疑いと聖騎士長殺害の反逆罪として王国全聖騎士から総攻撃を受けちりぢりになってしまった。

王国転覆、という大罪の濡れ衣をきせられた彼ら。

…七人は再び出会おうとしている。










゛あの日゛彼ら以外にもう一人。

可憐な少女がメリオダスと共に倒れていた。
だが目覚めたときには二人ともちりぢりだった。





団長、メリオダスの記憶も曖昧だ。

………ただ一つ覚えているのは。
隣にあった血まみれの白く細い指に、自分の指を絡めたこと。

…曖昧だ。曖昧だけど、その冷えきった体温を覚えていた。

死ぬな、これだけ伝えたかったけれど口が動いてくれなかった。
後は勝手に瞼が閉じてきて、抗うすべもなく視界が真っ暗になった。

血に濡れたお前を見たくなかった───
だが、それはオレのせいで、そうさせたのもオレのせいで、その罪を背負うのもオレだ。

笑うお前だけいれば、それで良かったんだ。

聖騎士は確かにオレたち<七つの大罪>を狙っていたかもしれない…
けど、あいつは関係ない。

───例えあいつがオレたちと同じ大罪人でも────

どうしてこうなったのかを知るため、オレはかつての仲間たちとあいつを探す。

記憶が途切れる寸前に見たあいつの綺麗な顔が頭をよぎる。

早く、早く、一刻も早く。




「───…ミサ…会いたいよ、お前に」
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ