短編

□PM 15:00
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──PM 15:00


「ミサ〜〜っ!昨日買い出しのついでに買ってきたケーキ食べようよ〜!」

自室のベッドに寝そべってゴウセルに借りた本を読んでいると、階下からディアンヌが大きな声で私を呼んだ。

ちらりと時計を見れば、甘いスイーツを食べるにはもってこいのちょうど良い時間帯だった為さっそく一階に降りて行った。

今日は豚の帽子亭はお休み。みんなそれぞれ自由に一日を過ごしている。

「…あれ?みんないたんだ」

一階の店に降りるとカウンターに座る男三人、メリオダス、バン、キングがいて、カウンター越しにはマーリンの薬で小さくなったディアンヌがいた。

四人は何やら白い箱を覗き込んでぺちゃくちゃお喋りをしている。


「よっミサ!ほら、お前もこっち座れ!」

メリオダスは自分の空いている左隣の席をぽんぽんと叩いて私を呼んだ。

「おっせえぞミサ♪」
「…よぉ〜っし!ミサも来たし、これで今いるメンバー揃ったね!ゴウセルは新しい本買いにいったし!マーリンは出掛けるとこあるらしいし!」
「ゴウセルとか道に迷ってたりしないかな…」
「…キング、それあり得るかも」

キングの言葉につい同意してしまった。
……ほんと大丈夫かなゴウセル。



「──ゴウセルはおいといて!気を取り直してケーキ選びするよお〜〜〜!みんな何食べたい!?」
「うっしゃー!オレは王道のショートケーキだな!」
「だんちょ女クセェなあ〜♪ここはやっぱガトーショコラだろ〜〜?」
「ディ、ディアンヌは何がいい?僕は残ったものでいいから先に選んで!」
「え!!今日なんだかキングかっこいい〜〜!……んー…じゃあボクはフルーツタルトっ!」

みんなが選んで食べ始めたあと、キングは残ったモンブランを取ろうとしたとき、重大なことに気がついて「みんな待って!!」とケーキの箱を持ち上げ叫びながらガタッと席を立った。

「…キング?」

どうしたの、と口にすると同時に私に回ってくるはずの白い箱はキングによって逆さまにされた。











───…もしや私の分が足りない的な?え?まじで?泣いちゃう。
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