短編
□PM 15:00
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「えええええっ!?うそでしょ!?」
「マジかよ。あーりゃま…♪」
「ごごごご、ごめんミサ!!」
「え、だ、大丈夫だよキング!みんなが食べてるの見れば私もお腹いっぱいにな」
「じゃあミサはオレと仲良く食べればいいな!」
「え」
───むにゅ、という効果音がつくぐらい何かが私の口に押し付けられ喋れなくなる。
「う、め、メリオダス?…何?」
「ん?数足りないなら、ミサはオレと食えば問題ないだろ?」
「えっ、ン!」
目の前には、フォークに刺さった生クリームたっぷりの紅く色づいた苺を差し出すメリオダスがいて。
にししっ、といつものように歯をちらつかせていたずらに笑った。
えっ、と自然に口を開いたと同時にフォークに刺さった甘いものがメリオダスによって口内に入れられた。
「…キング!バン!退散するよっ!」
「だんちょやるなあ〜〜♪」
ディアンヌ、バンは赤面して固まっていたキングを連れて二人の邪魔にならないよう退散した。
空気を読むのも苦労するのである。
───ガタンっ!
「…よし!」
「ん、ンンンっ…!?」
三人がいないことに気づいて間もなく、突然メリオダスに強い力で腕を引き寄せられた。
…よって私は、今かなりみっともない姿をしているはずだ。
先ほど強引に押し込まれた生クリームつき苺を、「まだ食うなよ?」と言われて何故だかくわえさせられたままだ。
プラスして、引き寄せられて移動した場所はメリオダスの膝の上。
「…ほいっと!お前軽いな、ちゃんと食ってんのか?」
「め、めりおだふ!もお、いひごたへたい…!!」
「えーんー…まだダメだなー?オレがいいぞっていうまでくわえてろよ?」
「は!?ひみわはんない!!んん〜〜〜っ!」
「…お。今なら触りたいほうだいだな!」
むにっ
「──ひゃんっ!」
「にしししししっ!ん〜あ〜最高〜」
むにっむにっと、慣れた手つきで胸を揉み始め、ニヤニヤと顔をほころばせたメリオダスを睨みつつ、生クリームでべとべとになった口や服よりも唇にくわえた苺の隙間から唾液が零れるのが気になり、わかって羞恥心で涙がじわりと浮かんでくる。
「…ふっ……は、ねが、」
「ん〜〜?…あー最高。可愛すぎ、お前」
お願い、と言いたくて、苺をくわえるのが疲れてきたのか自然にふるふると唇が緩んでくる。
メリオダスは相変わらず下から楽しそうに私の様子を見ては時折愛しそうに見つめてくるから、不覚にもドキドキしては言うことを聞けずにはいられなかった。
きゅ、とメリオダスの両肩を掴んで必死に唇を結んで最後のお願いをする。
「……っ、も、ふぁ、へて…?」
「っ──!」
"たべて"と伝えたいけれど、苺が邪魔をして上手く言えない。