短編
□PM 15:00
3ページ/3ページ
がぶりと聞こえそうなぐらい、メリオダスは私がくわえる苺にかぶりついた。
「っ、!」
「ん、」
綺麗な金髪がサラサラと揺れて、うっすら開いた翡翠色の瞳が普段とは違って妖艶に見えて目が合えば恥ずかしさで、きゅ、と目を閉じて時が過ぎるのを待った。
メリオダスがかぶりついたおかげで果汁がつぅと私の顎を伝って落ちる。
「──ん、うめぇな」
「っ、あ!」
驚くのもつかの間、メリオダスは半分食べられたままの苺をひょいと私の唇から抜いて自分の口に放り込んでは、ミサのおかげだなと呟きながら食べてしまった。
ぺろ、と口元を舐める彼の仕草に目を奪われたのは黙っておこう。
苺から解放されて、やっと普通に呼吸が出来るようになって、思いきり息を吸うと、メリオダスは楽しそうに笑って私の頭を撫でた。
バシッ!と頭を叩いてやれば、彼は無邪気な子どものようにまた笑った。
「っ、ばかばかばか!!ほんっっとやること変態!!もうっ!」
「悪かったって!まあ、すっげえレアなお前見れたしオレは十分満足だぞ!」
「もー…!ほんと何したいのかわかんないからびっくりしたよ」
「あ、そういやお前おっぱいおっきくなったな?」
「だから!!!聞いてないでしょ人の話し!!!!」
「聞いてるぞ?──あ。ミサ、ちょい」
「何!?」
「おいで、」
ぐいっ
「なっ…!」
「ん、ちゅう」
「〜〜っ、ばか…!」
再び引き寄せられた腕に、熱がこもる。
綺麗に顔を傾けたメリオダスは、鼻先が触れるほど近くでわざとなのか可愛げに言う。
唇がくっつくまで数センチ。
ついには距離もなくなって、恥ずかしさも何もかも、もうなんでもいいやとされるがままに。
でも恥ずかしくて、きゅ、と目を閉じた。
やわらかく啄むように重なった唇は、なんだか甘い味がした。
『──キス、したかったんだ』
弥生様リクエストありがとうございました!
久しぶりに甘いもの書いたなあ。
生クリームと苺は最強コラボと思うのは自分だけ?