書物

□鉛空
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「坂田はいるか?!」

そう言って入ってきたのはゴリ…近藤さんだった。

「銀さんだったら奥のソファーに…」

最後まで新八が言い終わらないうちに近藤さんは部屋の奥に見えているであろう俺のところに一直線に向かってきた。

「坂田…トシが切られた」

「え…?」

俺は意味が分からなかった。

「近藤さん、それはどういう意味ですか?」

新八がみんなの疑問を聞いてくれた。

「トシがずっと追っていた高杉にやられた」

暫く沈黙が続いた。
その沈黙が嫌で俺は近藤さんに問いかけた。

「十四郎は…十四郎は今どこに?」

「病院にいる。かなりの重症だ」

それを聞いた俺は気が付いたら走っていた。
無我夢中で走っていた。
早く十四郎に会いたくて必死に走った。
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