story
□スーパーアイドル
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『君さあ…俺のこと知らないの?』
「へ?」
彼の予想外の発言に変な声が出てしまった。私こんな超イケメンな人と出会ったことなんてないけど、彼は一体何を言っているのだろう。
『知らないんだ?』
「…ごめんなさい」
『え!マジで言ってる?』
やっぱり何処かで会ってるのかな?私には彼の反応が理解できないし、挙句の果てに私は全く彼のことを知らない、それに起してしまった罪悪感で泣きそうになる。
『うわ!やべ!怖がらせちゃったかな?』
彼は慌ててティッシュを探していたけど近くに見当たらなくて、焦って自分のTシャツの袖で私の涙を拭いてきた。
『ごめん…ティッシュない…』
「ふふふっ」
『わ、笑うなよ!しょうがねーじゃん』
彼は恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。
「いや、違うんです。優しい方だと思って…」
『本当に俺のこと知らないんだね』
「………。」
彼は私の困った顔を見て、私の表情とは裏腹に満面の笑みでこう言った。
『まじかよ…超嬉しいわ…』
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