王の器と侍道

□金じゃない銀だ
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初めましてシルバです。
金髪だけど決してゴールドという名じゃありません。

早速だが、最近の俺の身の回りのことを話したいと思う。
三週間くらい前、以前両親が住んでいた森の中の家に知らない女が住み着いていた。

黒くてぴっちりとした服に見慣れない剣を持ったそいつは、武器を持っていたこともあり一瞬見ただけなら男と思われても仕方がなかった。
リビングで目が合い数分は固まっていたと思う。
その後、大切な両親が住んでいた家を我が物顔で住み着かれ、侵入者呼ばわりされた挙句、丁重に追い返されそうになって初めて慌てて武器を構えた。

数秒もせず返り討ちにされたが…

その後はよく覚えていないが確か…

「私は侵入者じゃない。よく見ろこの制服、真選組だ」

「新鮮?…農家か漁師か?グミなんて食い物聞いたことないけど…」

「あれ?知らない?」

「知らねぇよ。いいからとっとと出てけよ」

「ここは田舎の方なのかな。しょうがない、じゃぁアルコール依存の侍でいいよ。」

「さむらいが何なのか知らんがアルコール依存ってだけでどうしようもねぇ存在だってことは分かった。とっとと出てけ」

「お前はそのどうしようもない存在を何も持たず外に放り投げるのか?情も非情もないただのクズだな」

「人ん家に不法侵入しといて踏ん反り返ってるクズにクズ呼ばわりされたくないんだけど」

「そうだろう、そうだろう。クズは嫌だろう。そうならない為にも私暫くここに住むから」

「おい!!どうしてそうなった!?」

そんなこんなで、あれから梃子でも動かなかった女は今もあの家にいる。

負けたのが悔しくて次の日も家に行ってみたら俺が帰った時と同じ体制で酒瓶抱えて寝ていた。
こんなだらしのない酔っ払いにあっけなく負けたことに腹が立ったのと同時に、こいつの生活力のなさに我慢できず怒鳴りながら家を掃除していた。

それから三週間、女を見てきて分かったこと。

女は祥雲と言った。煌帝国のような見た目と名前をしている。
一度、煌帝国の出身か?と聞いたが豪邸に住む金があるんならこんなボロ屋で寝泊まりするわけないだろ、と真顔でキレられた。
理不尽な上に色々と失礼な女だと思う。

そういえば、結局さむらいってなんだろう。
絶滅しかけた剣士の名称だと言っていたがよく分からない。

基本あいつの家での行動スペースは床にひかれた絨毯の上とそこから手の届くまでの範囲。そしてトイレと浴槽までの道のり。
いつも床で酒飲んで、偶に外に出ているみたいだけど俺は仕事で昼は家にいないからそこらへんはよく分からない。

それから金に煩くて、以前俺が落とした硬貨をチーター並の俊敏さで広いポケットにしまった。
後は、下品だ。言葉使いも悪いし行動も本当に女かどうか疑いたくなるくらい。それは今後も描かれていくだろうから割合しておこうと思う。


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